「廃村に行きませんか?」と誘われて長野の山奥、大平宿に行ってきましたぼくら廃村に行くんですよ」って、同人サークルぜろじげんのマサシロウさんから聞いたのが去年の話。
なにそれ!一緒に行きたい!」って言ったものの、色々と予定が合わずに昨年は見送り。
「今年も行くので一緒に行きませんか?」とお誘いを受け、ご一緒させてもらって行ってきました!
廃村というのは長野県飯田市にある大平宿という村で、この村にある古民家はだれでも借りて宿泊できるようになっているんだとか。
そんなわけで、大平宿に1泊2日して、写真モリモリ撮影してレポート記事書きました!


【関連】
大平宿 - Wikipedia


やってきましたいろりの里!大平宿!歴史ある民家で生活原体験!

大平宿は廃村とはいえ、NPO法人 大平宿をのこす会によって保全、管理されている村。
自然や古民家を残すために活動しているけれど、古民家は人が使わなければすぐダメになってしまう。
人が住み、風を通し、囲炉裏から煙が上がることで建物が長持ちするということで、1泊2000円で貸し出しているんだそうな。

なので、完全に無人というわけではなく、地元の人やぼくらのように民家を利用する人がいたりする。電気や水道は通っている。ただ、村としての機能は失っているという状態。


大平宿は環境保全地域。
説明書き、かなりハゲてるけど、比較的新しめだね。


今回宿泊したのは、現在地から少し南に降りたところにある深見荘。マサシロウさんたちはその向かい側、さらに南の大蔵屋に宿泊。


村の中央には南北に1本の道があり、その左右に家が立ち並ぶという、極限までにシンプルな形。覚えやすいマップでいいね。


出発前の予報では2日間ともに曇りのち雨だったけど、前日に梅雨が開けて見事な快晴に。夏っていいね!


こちらが今回宿泊した深見荘。いくつか見て回った中ではかなり綺麗な物件だったよ。物件によっては窓が割れてたり、押入れの扉が開かなかったり、畳が変色してて抜けそうに柔らかかったり。やっぱりそういう家ほど人間が使っていないから朽ちちゃってるんだろうか…。


家の中は畳敷きが2部屋。家の裏手は鬱蒼と生い茂った林。
電波は届かないけど、電気と水道は通ってるって安心するね。


障子の補修がハート型でラブリー。


部屋の脇にはこんな感じの廊下。


お風呂はステンレス製で小さいながらもすごく綺麗。五右衛門風呂を期待してたんだけどなぁ。
風呂の上の窓から見えているのが玄関方面。かまどもそっち。


トイレはなんとウォッシュレット!廃村に誘われてウォッシュレットの洋式トイレがあるとは思わなかった!
あとで話を伺ってみると、大平宿は体の不自由な方が利用することも多いらしくて、こういうトイレもやっぱり必要なんだとか。
あと、小学生たちが1週間単位で利用して、トイレが怖いとトイレ行けなくて具合が悪くなっちゃう子もいるらしいとか。なるほど。


深見荘に限らず、入り口を入ると土間になっていて、その先が板敷き。中央に囲炉裏。暗くなる前に火種を作っておこうということで、早めに囲炉裏に火を入れてみた。


囲炉裏の上の自在鉤にぶら下がってた真っ黒いやかんは鉄製じゃなくて、そのへんで売ってそうなステンレス製のやかん。


煤だらけでまっ黒くなってた。


生まれて初めての囲炉裏を正座して眺めるガルベス5歳。


大平宿に行く前は「あー、蚊取り線香買ってくればよかったねー」なんて話してたけど、蚊取り線香なんてどうでもよくなるくらい家中煙でモックモク。これはいい虫除けになるわなぁ。


深見荘の正面から入って左手にあるかまど。イソライトかまどって書いてあった。
ググッてみたらこれだ!会社名なんだね。
イソライト住機 | 薪焚き用かまど 特注かまど




深見荘全景。家の前には川が流れていて涼やか。


川の水はかなり冷たくて、こんな風に色々なものを冷やしておけるのだ。お野菜、ビール、スイカ、ジュースに飲料水などなど。なんでも冷やしておいた。


深見荘の南側、隣に建っている蔵と、その隣りの共同トイレ。さらに奥に見える建物は「大平総合病院」って書いてあった。
総合病院を名乗るにはあんまりにもあんまりな外見だけど、村の規模からすると適切な感じ。


お隣の蔵、正面。中には何が入ってるんだろうね。


蔵の土台はこんな感じ。


共同トイレ。こうして見ると綺麗めだけど、虫率かなり高し。


共同トイレの個室は和式のボットン便所。画像を拡大してみると写ってるけど、ざっと見ただけでも便所コオロギことカマドウマが5~6匹。ついでに明るくなって驚いたのか、大型の蜘蛛が壁をシャカシャカシャカーと走っていった。ここは使う勇気ないわー。


こちらは蔵とは反対、北側にあるお隣さんち。外壁のバリケード的な補修っぷりがイカす。


お向かいさんの屋号は下紙ヤ。煙突部分はけっこう新しめ。


村の中心あたりにある石碑とか、説明書き。


大平宿の保存と再生のためにいろいろ活動してますよ、という文章。




深見荘のちょっと北側にある紙屋さん。ここはおじさんとおばさんと犬が住んでいて、民宿みたいな感じでここにもお泊りできるそうだ。1泊2500円。

深見荘は1泊2000円だけど、食事も風呂も掃除もなにもかも自分たちでやらなきゃいけない。紙屋さんはおじさんおばさんが色々教えてくれるから、初心者向けに丁度いいと思うよ。
ちなみに、板敷き部分の掃除はお掃除ロボットのルンバにお任せしてるんだとか。今度行った時には、そのシュールな様子を動画で撮らせてもらおうかな。


紙屋さんの向かい側にある薪小屋。


薪小屋の前には小さな番犬が。


この子がめちゃくちゃ人懐っこい子で、犬猫大好きなガルベスが大喜びだった。


ガルベス5歳に懐く犬。


大平宿の中を走りまわるガルベス5歳。すげー楽しんでくれたみたいでよかった。
今回はエルメェスはおじいちゃんおばあちゃんの家にお留守番だったけど、次は連れてきてあげたいなぁ。



こちらも宿泊可能な古民家のひとつ。中は見てないけど、そこそこ綺麗そうだね。


中にはこんな感じで草木に覆われちゃってる民家も。ここはさすがに宿泊とかできないんだろうなぁ。


こちらのお宅の右端の…


こんな風に苔が生えてる屋根とか素敵。


こっちはもっと苔むした屋根。屋根の上に苔が生えた光景っていいよね。


段々に水が貯まる貯水槽。上のほうで食器洗うとか、下の方で洗濯するとか、役割が決まってるんだろうか?


廃村とはいえ、地元の人々が利用したり、一部の住人がたまに住んでたりするわけで、こんな感じのお食事処が1軒だけあったよ。


とんでもない山奥なのに、お値段は良心的。


モツ煮定食650円。いただきました。美味しかった。
丁度、食事しつつビール飲んでたおじちゃんに色々と話を聞いたら、このあたりはクマとかイノシシが出るんだとか。今年は1回しかクマと会ってないけど、去年は3回会ったってさ。
クマと会ったら目を絶対にそらさなければいいそうだ。


お食事処の近く、大平学校の正門。


大平学校校舎。


窓から中を覗いてみた様子。まだまだ使えそうだけど、生徒が一人もいないんじゃどうしようもないもんね。


校庭の隅には「大平学校跡」という石碑。


学校の裏側には広場が。広場といっても、ホントに広いだけ。


マサシロウさんたちが泊まった大蔵屋は結構キテる感じ。でも、実際に人がいる様子を見ると、なんかいい感じに見えたよ。


かなり古めかしい消火栓。写真は撮ってないけど、大蔵屋の中には消化用ポンプが置いてあったから、いざという時はすぐ消せる設備は整ってるんだろうね。


大平宿の民家はこんな風に、正面と裏手の高さが異なる作りの物が多い。うちらが泊まった深見荘も同じ作りになってた。


屋根の上に石が乗ってるのとか、いかにも古民家!昔話!って感じ。


建物を取り壊したであろう土台もあったり。



事前にマサシロウさんから「もう使われていないと思われる神社がある」と聞いていたので、神社にも行ってみることに。
神社は大平宿の南の方にあるそうな。


大平宿の南端にある石垣。


石垣の隙間からニョッキリ生えた木。


大平宿の中央の道を南にずっと歩いて行くと……


こんな橋に行き当たる。橋の上はアスファルト舗装されてるけど、その上に土が被さり、一面に草が生い茂っていた。


橋の上から川を見た様子。川はかなり整備されてるんだね。


橋を渡ったところに、綺麗な地図が設置されてたよ。


現在地から左へ進むとまた村の方へ。右へ進むと御君地蔵。南側から歩いてきた旅人のおじさんに聞いたら、御君地蔵の周辺は草がぼうぼうで、どこにお地蔵さんがあるのか分からなかったそうな。


で、地図の裏側に、森に溶け込むように見えるのが神社へと続く階段。上には鳥居が。


このあたりまではみんなと一緒に来てたけど、ガルベスはお腹痛いって言ってるし、他の人はもう見てきたって言ってたから、一人で登ってみた。


階段を登った上にある鳥居には縄がかかってた。


右手には参道の脇に建っていたであろう塀の残骸が苔むしてた。


参道と言っていいのかわからない惨状の参道。ちょっとした川が横切ってたりして。


意外と長い参道。奥にはまた階段が。


さっきよりも長い階段を登って行くと……


やっと神社が見えてきた。


こちら、本殿(拝殿?)。結構朽ちてる。
真昼間だから1人でも全然怖くなかったけど、夜来たらかなり怖そうな感じ。


左手には石碑。昭和三十四年九月二十四日。あとはよく読めなかった。


右手奥にはちょっと下る階段があって、その先には手水舎?のようなものが。


左右の木に縄がかかってた。


諏訪神社。


正面に、賽銭箱。


賽銭箱の位置から右手を見た様子。


賽銭箱の位置から左手を見た様子。


奥にはご神体がいらっしゃるのかどうなのか。
お食事処にきていたおじさん曰く、年に1度は宮司をたてて何かしてるんだとか。


右手の窓から見えるのは摂末社?


左手からは裏に回れたので行ってみた。床下に収納してある丸太は、お祭りの時なんかに使っていたのかな?


裏はこんな感じ。


建物が倒れないように、鉄製の棒でこんな風に固定してあった。


さて、そろそろ帰ろうかと思って正面に戻ると、狛犬の土台に文字が彫ってあった。昭和十六年五月に建てられたのか。


こちらは寄付者?名前は読めなかった。


最初の鳥居まで戻ってきた。


諏訪神社の帰りに見かけたジャノメチョウ。クジャクチョウだそうです。コメントにて教えてくださってありがとうございます!




諏訪神社に行っている間に、晩ご飯の準備が進められてたので、ぼくはお風呂を担当することに。このボイラーで薪をガンガン燃やすと……


ボイラーの裏側にあるお風呂場でお風呂が沸くのだ。


窓から覗いたお風呂はこんな感じ。コツがよく分からなかったのもあるだろうけど、お風呂がアツアツになるまで3時間くらいかかったんじゃないかな。紙屋のおばちゃんは40分で沸かせるって言ってた。すげぇ。


ガルベス5歳も晩ご飯のお手伝いしたり……


お風呂沸かしのお手伝いしたり。蛇口をひねるとお湯が出るんじゃなくて、お風呂に貯めたお水がだんだんお湯になっていくのが印象的だったみたい。いい経験になってよかった。


囲炉裏では網を置いてのバーベキュー。火加減が弱いとかまどやボイラーからよく燃えてる薪を移動させたり、強すぎたらボイラーに戻したりして火力調節。


かまどでは野間さんがお釜を使っての炊飯。


パッと見た感じ、焦がしすぎたかな?って思ったけど……


こうしてよそってみるといい感じ!お焦げが丁度いい具合で凄く美味しかった!


肉眼で見るともっと綺麗だったけど、大平宿から眺めた夜空。


朝御飯はダッチオーブンで肉野菜炒めとか、かまどで煮込みうどんとか。デザートは大平宿をのこす会のおじちゃんがくれた、おじちゃん手作りの無農薬ブルーベリー。


マサシロウさんの所ではスイカ割りしてたよ。


■大平宿で1泊2日過ごしてみて

大平宿は長野の山奥で、キャリアを問わず電波が全く届かない場所。携帯電話もメールもTwitterもつながらない環境での生活は、とても新鮮で、とても楽しいものでした。
もちろん、3時間かけてお風呂を沸かしたり、目も開けられないほどの煙にやられながら食事の用意をしたり、大変な事は多いです。
この生活を毎日、と言われると勇気は出ませんが、年に1度、こういう生活を送るなら大歓迎です。

絵本の中でしか見たことがない囲炉裏やかまどを子供に見せてあげたり、一緒に虫を探したり、家の前の川に足を突っ込んで暑さをしのいだり。
こういう「いかにも田舎な生活」を味わったことがない人も多いと思いますが、そうした人が田舎を気軽に体験できる、というのは魅力的じゃないでしょうか。


■最後に

えっと、最後に、もし今後大平宿に行ってみようかなとか、泊まってみようかなとか思った人にお願いがあります。
↓こんな

Ballistic-HC-Case


やたらとゴツいケースに入ったiPhoneが大平宿のどこかに落ちていると思います。
もし見かけた方は、それボクのiPhoneなので、ご連絡いただけると大変ありがたいです。

ついでにひとつアドバイス。
電波の届かない廃村で携帯電話をなくしたり落としたりすると、「ちょっと携帯見当たらないから電話かけてみて」とかも言えないからホントにホントに注意すること!
神隠しにあったのが子供じゃなくてよかった。



■一緒に大平宿に行った人たちのレポート記事
廃村「大平宿」で江戸~昭和の暮らしを体験(前編) ([の] のまのしわざ)
廃村「大平宿」で江戸~昭和の暮らしを体験(後編) ([の] のまのしわざ)
1000ENGINE/センエンジン : 大平宿に行ってきました



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